フレッシュ・デリ (2003)

De grønne slagtere (2003)

オリジナルタイトル:De grønne slagtere

English Title:The Green Butchers

日本語タイトル:フレッシュ・デリ

監督:アナス・トマス・イェンセン Anders Thomas Jensen

上映時間:100分

製作国:デンマーク

日本劇場未公開(DVD発売)

予告編

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あらすじ

店主のホルガーに嫌気がさしたスヴェンとビャーンは勤めていた肉屋を辞め、自分たちで新たな肉屋を開店する。開店初日に客は一人も来ない。落ち込んだスヴェンは、配線の修理作業をしていた男を肉の貯蔵庫に閉じ込めてしまったことにも気づかずに帰宅してしまう。

メモ

  • ブラックコメディ
  • 子供の頃はいじめられっ子で、自分に自信が持てない汗かきのスヴェン
  • 7年前の事故で植物人間になった双子の弟アイギルを避けるビャーン
  • 冬は葬儀屋が忙しい
  • 公園にいた小さなスウェーデン人
  • 新婚旅行のとき飛行機事故で山の中に墜落し、新婦を食べて生き残った牧師
  • 毎年220人のデンマーク人が失踪している… らしい
  • Levnedsmiddelkontrollen の調査が入る。保健所の調査員みたいなもの?
  • ビャーンへ贈る花束を持って現れるスヴェン
  • アイギルのことを Brille abe(メガネザル?)とバカにするスヴェン

コメント

脚本家として活躍するアナス・トマス・イェンセンの長編2作目の監督作品。ミフネ (1998)しあわせな孤独 (2002) などのドグマ95の映画作品のシナリオも手がけていますが、彼の監督作品はある意味ドグマの対極にあるような映画なので、この作品はドグマ映画を受けつけない人でも楽しめる映画だと思います。時代描写や田舎町のようすが曖昧に描かれ、雰囲気としてはシザーハンズ (1990) みたいな感じかな… 日本で出てるDVDの意味不明なパッケージを見て驚いてしまいましたが、少なくともホラー映画ではないです。そして他のイェンセン作品の例に漏れず、これまた奇妙なキャラクターたちの描き方は秀逸でした。

肉を食べることには殺害とか解体とかがついてまわるにも関わらず、私たちが普段目にしない世界としてそのことを直接目の当たりにさせる映画だったり、そのような肉屋の裏で行われているミステリアスなことを描く映画もいろいろありますが、それに加え殺人や人肉食などショッキングな内容がストーリーに絡んできながらも、コメディとしてほとんど血液を見せないような描き方というのもなかなかすごくて、血液自体が笑いのもとになってたりストーリーの中の重要な要素になってたりする他のイェンセン作品には見られないものでした。

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DVD情報

Alting bliver godt igen (2010)

Alting bliver godt igen (2010)

オリジナルタイトル:Alting bliver godt igen

English Title:Everything Will be Fine

監督:クリストファー・ボー Christoffer Boe

製作国:デンマーク | スウェーデン | フランス

上映時間:90分

日本劇場未公開

予告編

あらすじ

締め切りの迫っているシナリオライターのヤコブは、帰宅途中に青年アリを車ではねてしまう。ひん死の重傷のアリは、駆け寄ったヤコブに自分の荷物をもって逃げるように言う。ヤコブは動転したままアリの言葉に従いその場を離れるが、アリの荷物の中に中東で捕虜を拷問するデンマーク兵の写真を発見する。スキャンダラスな写真の事実について調査を始めたヤコブだったが、その時からヤコブは周囲に怪しい気配を感じ始める。

ひとくちコメント

  • スリラー/ミステリー
  • 2011年デンマーク・アカデミー賞の数部門でノミネート。ただしどれも受賞に至らず。
  • 前作 Offscreen (2006) から4年振りのクリストファー・ボーの長編
  • 仕事に悩む芸術家
  • 舞台はコペンハーゲン・・・らしい
  • ヤコブの世界とアリの世界
  • デンマーク映画おなじみの俳優陣(イェンス・アルビヌス、パプリカ・スティーン、ニコラス・ブロほか)が不思議なストーリーを支える
  • 街並の見せ方が独特
  • 台所用品で拷問?

追記

相変わらず都会派でおしゃれな画作りのクリストファー・ボーです。街の汚い部分は全くと言っていいほど出てきません。前作 Offscreen とはジャンルやプロットこそ違いますが、登場人物が映画製作と同時にその仕事とパートナーとの関係で悩むなど、似ている部分があるようにも思います。主人公のヤコブがあまりに神経質そうで、観客はヤコブに振り回される周囲の人物たちの立場でこの主人公を見てしまうような気もしますし、その点でも前作に似ているのかもしれません。
ストーリーの内容はよくあるようなミステリーものですが、映画内にでてくる海外派兵、諜報組織、養子縁組などにかんして細かく描かれているわけではないので、デンマークにおけるこれらの状況に関する情報をほとんど持たない日本人にとって、その辺りはピンと来ないかもしれません。

DVD情報

 

Mørke (2005)

Mørke (2005)

オリジナルタイトル:Mørke

English title:Murk

監督:Jannik Johansen

上映時間:124 分

製作国:デンマーク | イギリス

日本劇場未公開

予告編

あらすじ

コペンハーゲンでニナとともに暮らすジャーナリストのヤコブは、事故で障害者となってしまった姉のユリアが以前に自殺未遂をしたことで、未だに自 責の念に駆られている。そんなとき、ユリアが突然婚約者のアンカーを紹介する。何か引っかかるものがありながらも、障害を持つ姉が幸せになれるのだと、ヤコブはその結婚を祝福したが、結婚式の夜ユリアは自殺してしまう。葬式を済ませたあと、姉の死に疑問を持つヤコブは連絡の取れなくなったアンカーを探す。 ようやく彼を見つけ出してみると、早くも別の女性と婚約していて、その婚約者がまたもや障害者であることを知ってしまう。

ひとくちコメント

  • スリラー/ミステリー
  • 今やデンマークの人気俳優となってしまったニコライ・リー・コース主演。しあわせな孤独 (2002) の中で事故により下半身不随になる男を演じた彼が、今度は事故で障害者になったお姉さんを気遣う役を演じる。
  • 都会の暮らしと田舎の暮らし
  • 出会い系で知り合う人達
  • デンマークの結婚パーティ。というか、ヨーロッパではどこも似たようなものか。。。
  • 冷たく重苦しい雰囲気が続く。
  • 似た者同士だと勝手に思い込まれることの恐ろしさ。
  • Mørke とは「暗闇」という意味だが、映画の中にあるようにこれは舞台となる田舎町の名前でもあり、この町はデンマークに実在する。オーフスから北東に20kmほどの距離に位置する。(グーグルマップ参照

追記

以前に別のところでも書いたのですが、《何かを言わない》《言葉が足りない》ことで事件が起こっていきます。まあ《言わない》のか《言えない》のかはよく わかりませんが、自分の考えをはっきりと主張することが重要だと思われる欧米の文化の中では、このようなことが物語として成立しやすいのかもしれません。 そんななかで仕事の上でのヤコブの原稿がなかなか進まないことが象徴的でした。
また、言葉を発するだけではなくて、遺書、スピーチの原稿やSMSなど文字上の言葉も多数登場します。結婚する者たちが文字上(チャット)で知り合うとい うこともあったりして、音として発される言葉と書かれた文字としての言葉の違いなんて言うものについても考えさせられました。

DVD情報

 

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