Babylonsjukan (2004)

Babylonsjukan (2004)

オリジナルタイトル:Babylonsjukan

English Title:Babylon Disease

監督:ダニエル・エスピノーサ Daniel Espinosa

上映時間:90 分

製作国:スウェーデン

日本劇場未公開

抜粋

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あらすじ

夏のある日、オッレが6週間の予定でインドに旅立とうとする。オッレのアパートに住んでいた恋人のマヤは、オッレが戻ってくるまでアパートを出なければならない。オッレは友人のマティアスに、マヤをしばらく住まわせてくれるよう頼み旅立ってしまう。マヤは仕方なくマティアスのアパートに転がり込むが、そこは毎日フラフラしている若者たちのたまり場で、アパートは散らかり放題。マティアスは台所にマヤのベッドを準備していた。かくしてマヤのマティアスのアパートでの生活が始まった。

メモ

  • 現代のスウェーデンの若者を描いたドラマ
  • イージーマネー (2010) で日本でも知られるようになったダニエル・エスピノーサの2004年の作品
  • 地下鉄の検札に止められるマヤと友人のポーリン
  • トイレットペーパーの代わりに電話帳
  • 高級な暮らしのポーランド移民のポーリン
  • ポーリンの家からトイレットペーパーを拝借しようとするマヤ
  • マヤとポーリンがレンタルするビデオはイングリッシュ・ペイシェント (1996)
  • 政治的な話題を嫌うマティアス。
  • ハンバーガーショップでバイトするマヤ
  • 食料とアルコールを求めて政治家のパーティに潜り込むマヤたち
  • スウェーデンのレゲエミュージシャンであるティンブクトゥの音楽
  • マティアスのアパートの場所は、ストックホルム、セーデルマルムの西に位置する Hornstull(グーグルマップ参照
  • 政治家ニクラス・グスタフソンを誘拐し、Skärholmen に置き去りにする計画を話すラミロ。ストックホルム郊外の Skärholmen は60年代から70年代にかけて建設された集合住宅地区で、移民がおおく住む地区らしい。(グーグルマップ参照
  • ジョニーデップに似ていると主張するラミロに対して、Ulf Lundell に少し似ているというマヤ。Ulf Lundell は70年代にデビューしたスウェーデンのボブ・ディランとも呼ばれたロックシンガーで、様々な分野の人間と論争をしてきた人らしい。

コメント

監督のダニエル・エスピノーサはこの映画の公開当時が27歳で、脚本の Clara Fröberg も24歳と、映画に登場する人物たちとほとんど同じような年代で、望遠を多用したドキュメンタリー風の映像でもあるし、彼らのよく知っているスウェーデンの若者のリアルな人生を描いたと言えるのかもしれません。映画の中に登場する政治家グスタフソンが所属する政党であるNS(「新しいスウェーデン党」とでも訳す?)は移民排斥を主張しており、どう見てもスウェーデン民主党のことのようです。そのグスタフソンが痔の手術をするとか、麻酔のさめてきた手術後に朦朧としてよだれを垂らしているとか、はたまた支持者のステファンはマヤを押し倒そうとするものの逆ギレされて泣きながら謝るとか、かなり多くのマイナスイメージが盛り込まれています。特に確認していませんが、明らかに監督や脚本家はアンチ民主党なのだと思われます。

上記のようなことに加えて、映画の出だしのEUサミットに反対するイェーテボリ暴動の映像とか、マティアスがマヤに話す消費社会に対する嫌悪とか、かなり政治色の濃い映画なのなのかもしれませんが、グスタフソン誘拐の場面はおまけみたいな感じだし、マティアスがマヤに政治的信条を説明するシーンも唐突だし、個人的にはマヤのバカ女っぷりばかりが目について、《また最近の若者は…》的な映画に見えてしょうがないです。マティアスが請求された金を払わないことと Babylonsjukan(バビロン病?)の関係はとうとう理解できませんでした。トホホ…

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DVD情報

イージーマネー (2010)

Snabba Cash (2010)

オリジナルタイトル:Snabba Cash

English Title:Easy Money

日本語タイトル:イージーマネー

監督:ダニエル・エスピノーサ Daniel Espinosa

上映時間:124 分

製作国:スウェーデン

日本劇場未公開(DVD発売)

予告編

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あらすじ

コカイン取引に絡む3人の男たち。取引の為に刑務所を脱獄して来たばかりのホルヘは、母と姉(妹?)の面倒を見るためにどうしても取引を成功させたい。そのホルヘを追う対抗組織の用心棒ムラドは切れ者だが、別れた妻がドラッグ中毒で収容されたため、小さな娘を引き取り仕事と娘の世話の両立を強いられている。ホルヘの護衛を依頼された JW(ユーアン)は経済学を専攻する貧乏学生だが、上流社会を夢見てタクシー運転のバイトをしながら小銭を稼ぐ毎日。ムラドに襲われていたホルヘを助けた JW は、さらに金を積まれることでホルヘをかくまうことになる。

メモ

  • クライムドラマ
  • 刑事訴訟の弁護士でもある小説家イェンス・ラピドゥス Jens Lapidus のストックホルム暗黒街を描いた3部作の第1作目 Snabba cash の映画化。イェンス・ラピドゥスはスウェーデンのジェイムズ・エルロイ(L.A.コンフィデンシャルアメリカン・タブロイド 等)、デニス・ルヘイン(ミスティック・リバーシャッター アイランド 等)ともいわれているらしい。
  • 脇の配役が意外に渋い(デジャン・チュキッチ、ファレス・ファレスなど)
  • スウェーデンのアンダーグラウンドを仕切るのも移民か?
  • JW の口座の残金 243 SEK (≒ 3,000 円)
  • JW の学ぶ大学はストックホルム商科大学(Handelshögskolan i Stockholm)。日本で言えば慶応大学みたいなものか…
  • 「中国語では “危機” と “機会” は同義」JW の大学の講義にて
  • カールとソフィーのいたらしい Lundsbergs skola はストックホルムのボーディングスクール
  • アブドゥルカリムに言われてホルヘを見つけに JW が向かった場所 Malmvägen は、ストックホルムの北郊外 Sollentuna に60年代から70年代に開発された集合住宅地区。移民が多く住むところらしい。
  • JW の出身地はノールランドの Robertsfors(グーグルマップ参照

コメント

上流階級の暮らしを目指した JW が、いつのまにかアンダーグラウンドの世界に足を踏み入れるというお話。映画の中でも描かれるように、金持ちの社会と闇の社会はどこか似ていて、結局は同じ穴の狢ということかもしれません。

アクションよりも人物描写にウエイトがあり、淡々と物語が進んでいきながらも、見ているうちにストーリーに引き込まれていきますが、個人的にはいくつか不満な点もありました。カールがパーティの席上で3種類の人間の話をするので、それが中心の3人の人物のことかと思うとそうでもなさそだし、登場人物の中で庶民に最も近そうな JW の目を通して社会の暗部をみることになるのかと思えば、彼の人生も意外とミステリアスなものがあって、3人の中ではいちばん理解に苦しむ行動をとったりしてました。3部作って言われるぐらいだし、JW の謎はラピドゥスの他の小説で明かされたりするんですかね? まあ私としては JW 役のジョエル・キンナマンをじっくり見れた映画ということで満足することにします。

そのジョエル・キンナマンですが、マイライフ・アズ・ア・ドッグ (1985) でサガを演じたメリンダ・キンナマンの弟で、Johan Falk の GSI シリーズでも大活躍でした。最近はアメリカのTVシリーズ The Killing (2011) に出演したり、ハリウッド版 ドラゴンタトゥーの女 (2011) でミレニアムのスタッフを演じたりしてるみたい。

私としての見所はそんな感じですが、いろいろこの映画を観た人のブログとか見てみると、意外にムラドの娘のルヴィーサが人気みたい。参考までに下にルヴィーサ役のレア・ストヤノフのインタビュー記事のリンクをのせておきます。私のスウェーデン語力ではほとんど理解ができませんでしたが、とりあえずはスウェーデンで子供モデルとしてCMとかで活躍中のようでした。

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