Ekko (2007)

Ekko (2007)

オリジナルタイトル:Ekko

English Title:Echo

日本語フェスティバルタイトル:記憶の谺(こだま)

監督:アナス・モーゲンターラー Anders Morgenthaler

上映時間:80 分

製作国:デンマーク

日本劇場未公開(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008で上映)

予告編

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あらすじ

警官のシモンは離婚に際して養育権を失い、夏のある日、別れた妻の所から息子のルイを連れ去ってきた。誘拐犯として警察に追われる身になったシモンは人里離れた差し押さえになった一軒家に忍び込み、他人との接触を避けるように親子の生活を始める。だがその時から、シモンは悪夢に悩まされるようになる。

メモ

  • スリラータッチのドラマ
  • デンマークの田舎。田園と海岸が続く。
  • 無人のサマーハウス
  • 仲のよい父と子
  • 日本ではあまり見ない形のネズミ捕り
  • 自分の父親と同じにはならないと叫ぶシモン
  • ドイツ語でスーパーの店員の目をごまかそうとするシモンに対し、デンマーク語がわからないと信じて、下品なデンマーク語でシモンに話しかけるアンジェリク
  • この映画で憶えた単語:Kødpølse, Bøsse, Vandskræk

コメント

Princess (2006) で長編デビューしたアナス・モーゲンターラー監督が、今度は実写映像で父と息子の絆を描きます。これまでアニメーションを多く手がけてきたモーゲンターラーだけに、ルイの描くパラパラマンガ風の絵に、監督のアニメーションに対する思い入れが感じられました。

シモンとルイの関係を描く描写が続き、はじめはただの仲のよい親子の夏休みと言った感じですが、シモンがルイといっしょに人里離れたこの地にやってきた理由がじわじわと明らかになっていき、そこにシモンの見る悪夢が絡んできてドラマをもり立てていきます。ただ、養育権を失った父親とその息子の関係とか、そこに絡んでくる女性の存在とか、ハリウッド映画にもありそうな設定で、映画の中に北欧らしさ(デンマークらしさ)はほとんど見られませんでした。逆に言えば、デンマーク映画に慣れていない人でも楽しめる作品なのかもしれませんが…

ゼイ・イート・ドッグス (1999)プッシャー (1999) での乱暴者のイメージが強いキム・ボドゥニア Kim Bodnia が優しい父親を演じているのが驚き。。。そのほか、Princess から引き続きステン・フィスケ・クリステンセン Stine Fischer Christensen がモーゲンターラー作品に出演しています。クリステンセンは En soap (2006) で長編監督デビューした Pernille Fischer Christensen の妹で、私が映画の中で見る時は少し思慮の足らなそうな女の子の役が多いからかもしれませんが、ちょっと前のジュリエット・ルイスのようなイメージです。

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DVD情報

Kærlighed på film (2007)

Kærlighed på film (2007)

オリジナルタイトル:Kærlighed på film

English Title:Just Another Love Story

監督:オーレ・ボールネダル Ole Bornedal

上映時間:100 分

製作国:デンマーク

日本劇場未公開

予告編

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あらすじ

殺人事件の死体撮影を仕事とするカメラマンのヨナスは、特殊なのはその仕事だけで、妻と二人の子供を持つ一般的な夫であり父でもある。彼は郊外に新しいアパートを手に入れて平凡な生活を送っていたのだが、ある朝、一家を乗せた車が路上でえんこし、ヨナスの車をよけようとした一台が大事故を引き起こす。その車を運転していた女性ユリアは重傷を負い、担ぎ込まれた病院で意識不明となる。事故直後のミステリアスなユリアの顔が頭から離れないヨナスは、恋人だと偽りユリアの病室へ様子をうかがいにいこうとするが、病院に居合わせたユリアの家族に、ユリアの実の恋人らしきセバスチャンなる人物と間違われてしまう。じきに意識を取り戻したユリアだったが、視力を失い、セバスチャンの記憶も失っていたユリアの家族の強引な依頼もあり、ヨナスはセバスチャンになりすましたままユリアの世話をしていくことになる。

ひとくちコメント

  • サスペンス・スリラー
  • I Am Dina (2002) のあと5年を経て、オーレ・ボールネダル監督作品として久々に世に出たパラサイト X (2007) の2ヶ月後に公開された作品。
  • 主人公の仕事とプライベートのギャップ
  • コントラストの強い映像
  • 郊外の集合住宅
  • 事故のシーンの見せ方は、なかなか個性的
  • 「フィルム・ノワールは美人とミステリーで始まる」フランクの言葉
  • カンボジアを旅行するデンマーク人
  • ヨナスに白紙の小切手を渡すユリアの父親
  • 庶民の生活と金持ちの生活
  • ヨナスがユリアに話すセバスチャンとしての記憶
  • スーパー・マーケットで別れ話
  • 極めて普通:ユリアの父親によるセバスチャン(ヨナス)評

追記

普通の生活と刺激のある生活の対比。カメラマンとして世界を飛び回る夢を抱いていたヨナスは、仕事で死体毎日のように撮影していながらも、自分の生き方を普通の生活と考えているふしがあって何ともへんな男です。セバスチャンになりすましユリアにアジアでの思い出を話して聞かせますが、これは彼が実際に夢見ていたカメラマンとしての生活のようで、彼がこの映画の中でいちばん生き生きしている瞬間です。その後、映画の中程のユリアの担当医ベックマンの話の所から雰囲気が少し変わってきますが、やはり刺激のある生き方にはリスクがついて回るということなんじゃないでしょうか。

ユリアとセバスチャンの関係で腑に落ちないところがあったり、唐突にオルフェウスとエウリュディケーの話が出て来たり、個人的に疑問に思うところもいくつかあります。日本で公開された作品も少なくないアナス・ベアテルセン、レベッカ・ヘムセ、ニコライ・リー・コスが出演しているボールネダルのスリラー作品でも日本で公開されないというのは、やはりその辺がネックなんでしょうか。とりあえずは、ワイルドな役を演じるニコライ・リー・コスあたりは見所ですかね…

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DVD情報ほか

Alting bliver godt igen (2010)

Alting bliver godt igen (2010)

オリジナルタイトル:Alting bliver godt igen

English Title:Everything Will be Fine

監督:クリストファー・ボー Christoffer Boe

製作国:デンマーク | スウェーデン | フランス

上映時間:90分

日本劇場未公開

予告編

あらすじ

締め切りの迫っているシナリオライターのヤコブは、帰宅途中に青年アリを車ではねてしまう。ひん死の重傷のアリは、駆け寄ったヤコブに自分の荷物をもって逃げるように言う。ヤコブは動転したままアリの言葉に従いその場を離れるが、アリの荷物の中に中東で捕虜を拷問するデンマーク兵の写真を発見する。スキャンダラスな写真の事実について調査を始めたヤコブだったが、その時からヤコブは周囲に怪しい気配を感じ始める。

ひとくちコメント

  • スリラー/ミステリー
  • 2011年デンマーク・アカデミー賞の数部門でノミネート。ただしどれも受賞に至らず。
  • 前作 Offscreen (2006) から4年振りのクリストファー・ボーの長編
  • 仕事に悩む芸術家
  • 舞台はコペンハーゲン・・・らしい
  • ヤコブの世界とアリの世界
  • デンマーク映画おなじみの俳優陣(イェンス・アルビヌス、パプリカ・スティーン、ニコラス・ブロほか)が不思議なストーリーを支える
  • 街並の見せ方が独特
  • 台所用品で拷問?

追記

相変わらず都会派でおしゃれな画作りのクリストファー・ボーです。街の汚い部分は全くと言っていいほど出てきません。前作 Offscreen とはジャンルやプロットこそ違いますが、登場人物が映画製作と同時にその仕事とパートナーとの関係で悩むなど、似ている部分があるようにも思います。主人公のヤコブがあまりに神経質そうで、観客はヤコブに振り回される周囲の人物たちの立場でこの主人公を見てしまうような気もしますし、その点でも前作に似ているのかもしれません。
ストーリーの内容はよくあるようなミステリーものですが、映画内にでてくる海外派兵、諜報組織、養子縁組などにかんして細かく描かれているわけではないので、デンマークにおけるこれらの状況に関する情報をほとんど持たない日本人にとって、その辺りはピンと来ないかもしれません。

DVD情報

 

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