Nord (2009)

Nord (2009)

オリジナルタイトル:Nord

English Title:North

監督:Rune Denstad Langlo

上映時間:79 分

製作国:ノルウェー

日本劇場未公開

予告編

YouTube Preview Image

あらすじ

スキー選手だったヨーマルは精神を患い、治療をかねてスキー場の管理を任されていて、スキー場の管理小屋でアルコールとタバコだけで生活するような毎日を送っている。そこにかつてのヨーマルの恋人のリネアを奪ったラッセが訪ねてくる。ラッセによると、リネアには4歳になる息子がいて、その子の父親はヨーマルだという。ラッセはそのことがずっと気になっており、とうとうリネアのもとを逃げて来たというのだ。ラッセに息子に会いにいくように勧められるが、息子のことを聞いたヨーマルはショックを受けふさぎ込んでしまう。そんなある日、ヨーマルは管理小屋で火事を起こしてしまい、それをきっかけに、スノーモービルにアルコールのタンクだけ積み込んで、旅に出ることを決意する。

メモ

  • コメディ/ロードムービー
  • 癒し系。ポスター上のキャッチコピーは「En antidepressiv offroad movie」
  • ドキュメンタリーを撮って来た Rune Denstad Langlo 監督の劇場長編デビュー作
  • アルコールとタバコとナショナル・ジオグラフィック
  • トンネルを恐れるヨーマル
  • 雪盲という言葉を初めて知った
  • 人里離れた一軒家で寂しい生活を送る祖母と孫娘
  • ロッテがヨーマルの好きな音楽を訪ねたときに出た名前は Kaizers Orchestra(ノルウェーのオルタナティブ・ロックのバンド)。その後しつこく質問を繰り出すロッテに対して… 「あんなの聴くのはデンマーク人だけだろ」
YouTube Preview Image
  • やたらと火事に縁のあるヨーマル
  • アルコールをしみ込ませた生理用品を頭頂部に貼付けたウルリクとヨーマル
  • スノーモービルを自分の足に鎖でつないだサーミの老人
  • 自然を知り尽くしたサーミ人。自然へ帰る。
  • ヨーマルのいたスキー場の場所はよくわからないが、旅立ってすぐの標識に「ナルヴィク 890 km」とあることから、トロンハイムのあたりだと思われる。
  • そして、ヨーマルの向かったタモクなんたらという場所もよく聞き取れなかったが、似たような名前の場所をトロムソの南のあたりに発見(グーグルマップ参照

コメント

北国好きの私にとって、ストーリーを通して一面雪景色のこういう映画はたまりません。 コメディタッチのロードムービーということで、例に漏れず登場する人物は奇妙な人間ばかり。しかしヨーロッパの北の果ての国で、さらに北を目指すロードムービーなんてのも珍しいんじゃないでしょうか。スクリーンに映し出されるのは降り積もった雪の他には何もないようなノルウェーの田舎ですが、オスロなどの都会に住むノルウェー人にとってのカントリー・サイドのイメージというものがこの映画に隠されているのかもしれません。

ヨーマルを演じた Anders Baasmo Christiansen は、出世作 Buddy (2003) でもオスロのある地区から出られないヒキコモリのような人物を演じていました。Buddy での彼はとうとうその地区から出ることはありませんでしたが、この作品の中のヨーマルは苦手なトンネルを意を決してスノーモービルで駆け抜けます。彼がスノーモービルで火花を散らしながらトンネルを抜けたとき、病気は既に完治したともとらえられ、その後ヨーマルが出会う人々の方が問題を抱えていて、逆にヨーマルに癒されていたのだと思います。

関連記事、サイト、ブログ等

DVD情報

Kopps (2003)

Kopps (2003)

オリジナルタイトル:Kopps

監督: Josef Fares

製作国:スウェーデン | デンマーク

上映時間:90分

日本劇場未公開

予告編

YouTube Preview Image

あらすじ

犯罪や事件とは無縁の田舎町にある駐在所では、所長以下4名の警官と1名の通信員たちが思い思いに平和な人生を楽しんでいた。ところがある日、県警察の職員が現れ、予算削減のため事件のないこの町の駐在所を3ヶ月以内に閉鎖する予定であることを告げられる。仕事を失う状況に陥った職員たちは、密かに自分たちで事件を起こし、駐在所の必要性を訴えることを思いつく。

ひとくちコメント

  • 長編デビュー作のコメディ映画 Jalla! Jalla! (2000) でブレイクした Josef Fares 監督の劇場長編2作目。再びドタバタコメディ。
  • 前作に引き続き監督の実の家族が総出演
  • いかれた警官たち(出会い系で彼女を見つけることに情熱を燃やす子持ちのヤコブ/アメリカンなスーパー・コップを夢見ながら、自宅では編み物にいそしむベニー/夫婦漫才ばりの掛け合いを繰り返すアグネタとラッセの夫婦)
  • のんびりとした風景の中で繰り広げられるコメディ
  • ストーリーの冒頭に登場する迷い牛がエンドクレジットのキャスト欄に。。。名前はグレタ284号
  • 映画の中で町の名前について言及されていないので架空の田舎町だと思われるが、ロケ地はヴェストラ・イェータランド県の Bäckefors というところらしい。(グーグルマップ参照

追記

Jalla! Jalla! と同じタイプの Josef Fares のコメディ映画ですが、前作とは違ってスウェーデンにおける移民文化の要素はあまり感じられません。2作目でもっとスウェーデンの一般的な大衆の笑いに訴えようとしたのかどうかはわかりませんが、脚本家として Fares とともに名を連ねているのが、スリラー映画の ポゼッション (2004)すべてはその朝始まった (2005) のミカエル・ハフストロームとヴァサとは、このコメディにしては奇妙な組み合わせです。

いずれにしても犯罪者の出てこないポリス・コメディも珍しいと思いますが(ベニーの夢の中には登場、、、というより本人たちが犯罪者か?)、平和な雰囲気の中で幸せに暮らす人達という北欧のステレオタイプに加えてこういう映画を見ている人間には、2011年7月に起こったノルウェーの虐殺テロなんて想像もつかないかもしれません。ただこの映画の中で警官たちが失業の脅威にさらされたり、事件の自作自演に加担させられるイェランがアル中風だったりと、このようなコメディ映画の中にも北欧の社会問題が隠れていることもあると思います。

県警察のスタッフとして駐在所の閉鎖を告げにくるイェシカを演じている Eva Röse は、スリラー映画 Villmark (2003) や、最近ではドロドロなスリラーもののテレビ・シリーズ Maria Wern (2008 – 2010) で活躍していて、いつも眉間にしわを寄せているようなシリアスなイメージがありますが、そのようなシリアスさがこの映画の中でもなんとなく感じられて、平和な生活を送る田舎町の住人たちにの中に現れた異世界である都会の人間というキャラクターにぴったりなのかもしれません。もっとも調べてみるとこの女優さんは Rallybrudar (2008) というコメディ映画にも主役として参加しているようなので、そちらの方ではどんなキャラクターを演じているのか確認してみたくなりました。

関連記事、サイト、ブログ等

DVD情報

Fatso (2008)

Fatso (2008)

オリジナルタイトル:Fatso

監督:Arild Fröhlich

製作国:ノルウェー

上映時間:90分

日本劇場未公開

予告編

あらすじ

デブっちょのリノは気になる女の子とろくに話すこともできず、スーパーで買い込んだ果物などを使って *** に励む毎日。唯一の親友であるフィリップとは、ビールを飲みながらバカ話をするしかない。女の子の姿を夢に追いながら、その気持ちを自ら描くマンガにぶつけながら悶々とした日々を送っていた。ある日リノの父親が、勝手にリノのアパートの開いている部屋を他人に貸したことを告げにくる。人には言えないような生活を送っているリノは、よけいな面倒がころがりこんだと落ち込むしかなかったが、そこに現れたのは若くて行動的なスウェーデン人の女の子のマリンだった。

ひとくちコメント

  • コメディ。おバカ映画。
  • ザ・クロス エクソシストの闇 (2009) にも出演しているヨセフィン・ユングマンが、マリンを演じる。アーン 鋼の騎士団 (2007) にも出ていたらしいのだが。。。さてどこだろ…
  • これまた勉強が足りないが、ノルウェー語とスウェーデン語の違いによる笑いがあるものと思われる。
  • ところどころ、リノが描いたマンガのアニメーションがはさまれる。内容はかなり下品。
  • 「男女が同じ家に長く住んでいると、、、そういう関係になる(フィリップ理論)」にわずかな期待をかけるリノ
  • 冷蔵庫で下着を冷やすマリン。チーズの匂いが染み付いたとその下着を臭わされるリノ。
  • リノのことはお構いなしに、アパートに男を連れ込むマリン
  • フレッシュライトをプレゼントするフィリップ
  • Fittmus!(綴りは自信なし) リノがマリンに浴びせかける罵倒語。意味がよく分からず。
  • パーティで居場所のないリノ
  • リノの父親を演じたのは、リノを演じた Nils Jørgen Kaalstad の実の父親らしい。
  • ラストシーンからエンディングクレジットのバックのショットはなかなか衝撃的

追記

恋愛経験のないオタクな男がかわいい女の子と行動するとどうなるか、、電車男 (2005) などと同じ系統のコメディだと思います。ただこちらの方はもっと直接的で、マリンと知り合う前からリノは女の子とのセックスを夢見て来ており、そこに西欧に典型的(ステレオタイプかもしれませんが…)な開放的な男女が絡んで来て、よりカオスなストーリー展開になっているんじゃないでしょうか。基本的には、ある世界に生きる人間と別の世界に生きる人達との摩擦が生み出す事件をストーリーにしたものなんでしょう。日本ではあまり馴染みのないもので、フラットシェアとかパーティとか西欧にはよく見られますが、リノのような人物がそんな世界で生きていくのはたいへんだと思います。

リノといっしょに住むことになるマリンですが、女性経験のないリノに対して扇情的な行動をとり、無邪気と言われればそれまでですが、リノでなくてもいらぬ妄想を抱いてしまうことでしょう。リノの方にもかなりの変態志向があり、人物設定が極端に思えるところがありますが、その辺からコメディが生まれてくるのかもしれません。ただやっぱりこれは、リノの世界に生きる人ではなく、普通の世界に生きている(と言われる)人間から見た、女性経験のない男性の世界を描いた映画なのだと思います。

DVD情報

Ads by Sitemix